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化学工業日報(2021年1月12日発行)に掲載されました。

株式会社パンソリューションテクノロジーズのホームページにアクセス頂き、
誠にありがとうございます。

 

この度、1月12日発行の化学工業日報に、
現在弊社が新しく開発中の製品についての記事が掲載されました。

 

今後も各研究機関や企業との共同を進めながら、
新たな展開を目指しております。

 

(下記、記事全文引用)

 

PV用ウエハー評価技術をパワー半導体に展開

短時間で内部まで

 

東北大学発ベンチャーのパンソリューションテクノロジーズ(松島悟社長)は、
太陽電池(PV)用シリコンウエハー向けに開発した品質評価技術をパワー半導体に展開する。
短時間でウエハー内部まで測定できるHS-CMR法を応用するもので、
今年にもシリコン系パワー半導体用ウエハーの検査装置の製品化を目指す。
東北大学・金属材料研究所、名古屋大学工学部と協力し開発を推進する。
並行して炭化ケイ素(SiC)など化合物半導体用ウエハーの検査装置の開発にも取り組む。

 

従来のPV用シリコンウエハーの品質評価技術は、半導体用ウエハー向けのμ-PCD法が
用いられてきた。μ-PCD法はウエハー表面にレーザーを照射、電子の寿命を測定して評価を
行う。しかし、表面の品質しか評価できないため、その測定値はPVのエネルギー変換効率との
相関が得られない。同じ測定値でもセルにした際に変換効率に違いが生じてしまう。
測定時間も30分~1時間を必要としていた。

 

これに対してHS-CMR法は、4探針プローブを使って最適な可変電流でウエハー内部まで測定。
独自開発したアルゴリズムによって発電に関する要素を総合的に評価、一つのパラメーターで
明確に判定する。時間はわずか30秒。
「ウエハーの段階でPVの品質が分かれば無駄をなくすことができる」(松島社長)。

 

PVの主力生産拠点は中国にシフトしているが、日本を含めた海外PVメーカーが
中国産ウエハーを使うことが増えている。ウエハーの品質を正確に測定することは
PVの歩留まり向上に寄与する。また、インゴット、ウエハー(スライスを含む)、
セル(酸・アルカリ処理を含む)の各工程においてもHS-CMR法を導入することで開発効率の
向上、不良率低減などに貢献できる。

 

2019年からPV用シリコンウエハー検査装置「VWECER-100-S」の販売を開始。
国内PVメーカーと評価を進めているほか、インドのPV大手からも引き合いが寄せられている。

 

同社は今後、市場拡大が期待できるパワー半導体分野への進出を目指す。
シリコン系については中国産ウエハーの生産が増えるとみられるが、
品質評価をきちんと行い不良率を低減することが求められる。
SICなど化合物半導体もウエハー表面だけではなく、内部欠陥の低減が性能や歩留まりの面で
重要になる。

 

同社はシリコン以外の材料においても印加電流と抵抗率の間に特定のパターンがあることを
見いだした。「そのパターンを解析し、対応したアルゴリズムを開発することで
HS-CMR法の適用が可能」(同)。

 

東北大・金材研とはパワー半導体材料の結晶評価技術で、
名大とはアルゴリズム開発に必要な機械学習技術で協力を得る。
21年にシリコンウエハー、23年をめどに化合物半導体ウエハーの検査装置の製品化を目指す。

 

(化学工業日報 7面 2021年1月12日)